【第3回】健診結果を活かす〜腎機能とかかりつけ医への上手な相談術〜

前回まで血圧・血糖・脂質・肝機能・貧血をお話ししてきました。最終回は腎機能と、健診結果を受診に活かすためのアドバイスです。


⑥ 腎機能:eGFR 60未満・尿たんぱく陽性

腎臓も「沈黙の臓器」です。腎機能の低下は多くの場合、無症状のまま進行します。腎機能が低下すると老廃物の排泄ができなくなるだけでなく、貧血・骨の代謝異常を引き起こします。さらに、脳卒中・心筋梗塞などの心血管病のリスクが右肩上がりに増大することが知られています。

eGFRは年齢・性別を考慮した「腎臓が血液をろ過する能力」の指標で、血清クレアチニン値・年齢・性別から計算されます。

近年注目されている 慢性腎臓病(CKD)は、尿たんぱくなどの尿異常またはeGFR 60未満が3か月以上続けば診断されます。日本人の5人に1人はCKDと言われており、心筋梗塞・脳卒中の重大な危険因子です。

尿たんぱくのないCKDも45歳以降に多い傾向があります。そのため、 来年4月から労働安全衛生法に基づく定期健康診断でも、40歳以上で血清クレアチニン検査が新たに必須項目として追加されます(これまでは尿検査のみが必須でした)。CKDの早期発見に期待されます。

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健診結果をかかりつけ医に最大限活かしてもらうために

① 「変化の推移」を持参してください

その数値が「急激に」悪化しているのか「緩やかに」悪化しているかによって、緊急性や原因の予測がまったく異なります。過去の健診結果があれば、ぜひ一緒にお持ちください。これまでの変化こそが、最も貴重な情報です。

近年はガイドラインの改訂により、「薬で厳格に管理する」だけでなく、年齢や合併症の有無に応じて「目標値」を個別化する時代になっています。まずは怖がらず、一緒に今のお身体と向き合いましょう。

② イエローカードが重なればレッドカードになります

今回ご紹介した数字に該当しないからといって、必ずしも安心というわけではありません。それぞれが「レッドカード」でなくても「イエローカード」がいくつも重なれば「レッドカード」になります。複合的なリスクの積み重ねがあれば、早急な対応が必要な場合もあります。

③ 健診結果は「先行投資」のきっかけです

健診で受診を勧められたら——「放っておけないんやな」と感じていただけたら嬉しいです。その基準値は、あなたを無理に受診させるための数字ではなく、根拠に基づいた、あなたへの「心配のサイン」です。

早期発見・早期介入は、単なる「治療」ではなく、あなたの人生の選択肢を守るための先行投資です。

健診結果をお持ちのうえ、ぜひかかりつけ医へお気軽にご相談ください。私たちかかりつけ医は、皆さんが安心して健康に過ごせるよう、地域のパートナーとして活動しています。

(木村 新)

大阪府内科医会 お医者さんのブログ

かかりつけ医の集まりである内科医会から市民の皆様へ健康情報をお届けするサイトです