第2回:認知症の症状を理解する
では認知症の最も中心となる症状は何でしょうか?
「短期記憶の障害」と思う方も多いかもしれません。しかしもしそれだけなら「健忘症」という呼び方になるでしょう。「認知症」と呼ばれるのは、周囲を感じ取る能力=認知の障害が起こるからです。
同時に「自分の思いを周囲に伝える力」も弱くなります。普段、私たちは相手の性格や感情を直感的に感じ取ります。しかしそれが分からなくなったら?目の前の人が誰なのかも分からなくなったら?それが認知症の方が置かれる世界です。
認知症は特別なことではありません。体が弱って歩きにくくなるのと同じように、頭の働きが弱って人との関わりが難しくなる状態です。足が弱れば転ばない工夫が必要なように、認知症でも人との関わり方を工夫しなければ孤独やトラブルにつながります。
アルツハイマー型認知症
• 短期記憶障害
例:牛乳を毎日買って冷蔵庫が牛乳だらけに。賞味期限を見落とすと体調を崩すことも。
→ 対策:メモ・貼り紙・スマホのリマインダー、日記習慣など。
• 空間認識障害
例:左右・奥行きの感覚が乱れて運転に危険が。
→ 対策:運転は控え、徒歩や公共交通機関+スマホ地図を活用。
レビー小体型認知症
• 幻視・睡眠障害
例:いない人が見える、悪夢で騒ぎ警察を呼ぶなど。
→ 幻視は脳が原因でとてもリアルに見えるが、環境調整(明るさ、メガネの使用)などで軽減することもあります。
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