第1回:認知症を知る ― 身近な問題として
「認知症とつきあっていけますか?」
ご存知ですか?9月は「世界アルツハイマー月間」です。
2007年、愛知県で認知症の男性が徘徊中に列車にはねられ亡くなる事故がありました。JR東海は遺族に約720万円の損害賠償を請求しましたが、最終的に最高裁判所は「家族に賠償責任はない」と判断しました。この訴訟は社会に大きな波紋を広げました。
その後、映画やドラマでも認知症をテーマにした作品が数多く登場しました。中には「認知症はかわいそう」「家族が認知症になれば人生が台無し」というイメージを与えるものもあります。
そうした中で異色だったのが映画『オレンジ・ランプ』です。若年性認知症の当事者・丹野智文さんの体験に基づき、認知症により失われていく能力への戸惑いや苦しみを描きながら、同時に「どうすれば困難を乗り越え、前向きに生きられるか」に光を当てています。
こうした話題が身近になった背景には、認知症の人が増えている現状があります。厚生労働省の推計(2022年)では、65歳以上の約5人に1人が認知症、さらに「3人に1人」が認知症または軽度認知障害(MCI)に関わる症状を持つとされています。つまり認知症は私たちのすぐそばにある課題なのです。
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