大切な家族のためにできること - 身体・心・環境の視点から-1
年末年始、久しぶりに実家でご両親に会われた方も多いのではないでしょうか?あるいは、お子さんが帰省してきた家庭もあったことでしょう。そんな久しぶりの再会の中で、ご家族の様子に何か変化を感じられた方もいらっしゃるかもしれません。食事の時にむせやすくなっていたり、動作がゆっくりになっていたり、以前より物忘れが増えていたり、感情の起伏が大きくなっていたり。また、感染症を心配するあまり、友人との付き合いが減ってしまっている―そんな変化に気づかれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらの変化は、大きく3つの視点から見ることができます:
1. 体の機能の変化(生理的・身体的機能)
2. 心の変化(精神的・心理的状態)
3. 周りの環境の変化(社会環境状態)
この3つの視点で人の状態を総合的に理解する考え方を「バイオ・サイコ・ソーシャルモデル」と呼び、最近の医療・介護の分野で重視されています。これら3つの要素は、まるで歯車のように互いに影響し合っているのです。
高齢者の方によく見られる慢性心不全や慢性呼吸不全などの病気では、体の機能が徐々に低下していきます。その過程では、症状が悪化と回復を繰り返しながら、少しずつ体の力が弱まっていくのが特徴です。
例えば、呼吸の機能が低下すると誤嚥性肺炎のリスクが高まったり、体の機能が衰えると転んで骨折しやすくなったりします。このような変化に対して、私たちができることは3つあります:
1. 体へのアプローチ:適切な栄養摂取と運動
2. 心へのアプローチ:その方が楽しめる活動を見つけること
3. 環境へのアプローチ:人とのつながりを保つこと
このように、体・心・環境の3つの視点からのサポートが大切だということがおわかりいただけたでしょうか。次回は、この3つの要素を踏まえた上で、実際にどのようなサービスが利用できるのか、そして最も大切な「これからの過ごし方」について、どのように家族で話し合えばよいのかをご紹介していきます。
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