緩和ケアと地域コミュニティ 第3回:あなたも「支える人」になれる


こうして緩和ケア全体を眺めると、人とのつながりが大きな役割を果たしていることがわかります。しかもそれは、最期の時だけでなく、がんをかかえながら生き続けるその日々ずっと、必要とされています。

つまり、患者さんのそばにいる人は誰でも——家族でも、友人でも、ご近所の知り合いでも——支える人になれる可能性があるのです。

一方で、こんな現実もあります。「人生の最期を自宅で迎えたい」と答えた人は58.8%にのぼるのに、実際に自宅で最期を迎えられる人は12.8%にすぎません(一方で77.3%は医療機関で亡くなっています)。核家族化や地域のつながりの希薄化が進む中、助けを求めにくい状況が広がっているのかもしれません。

そんなとき、「何か手伝えることある?」と一声かけることが、その人が最期まで自宅で過ごす力になるかもしれません。

一つ、正直にお伝えしておきたいこともあります。「死にたい」「もうすぐ死ぬの」といった言葉は、聞く側に強い怖さを感じさせます。つい「そんなことない!」と打ち消したくなる——その気持ちはとても自然なことです。

でも、少し視点を患者さんに向け直してみてください。「そんなことを話してくれたのは、どうして?」と問いかけるだけで、相手は深い苦しみの中にある気持ちを話してくれるようになるかもしれません。

逃げずに、そばにいて、向き合う——それだけで十分です。あなたにも、きっとできます。

太田俊輔 記

大阪府内科医会 お医者さんのブログ

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