第2回:食事で鉄を取り戻す――隠れ貧血の治し方・防ぎ方

隠れ貧血とわかった場合、基本は食事の見直しと鉄分の補給です。

重症の場合には、医師の判断で鉄剤の内服や注射による治療を行うこともあります。

●鉄を多く含む食品

•赤身の肉(牛もも肉・豚ヒレなど)

•レバー(鶏・豚)

•カツオやマグロなどの赤身魚

•ひじき、ほうれん草、小松菜 など

これらは「吸収されやすいヘム鉄」と「植物性の非ヘム鉄」に分かれます。

動物性食品の鉄(ヘム鉄)の方が吸収率が高いのが特徴です。

●吸収を高めるコツ

ビタミンCを一緒にとると鉄の吸収が良くなります。

たとえば、

•肉料理にレモンを絞る

•ほうれん草のおひたしに柑橘を添える

•食後にキウイやイチゴを食べる

など、ちょっとした工夫で吸収率が変わります。

●気をつけたい飲み物

緑茶やコーヒーに含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げます。

食後すぐの摂取は避け、30分以上あけるのが理想です。

●無理せず続けるコツ

「鉄を摂らなきゃ」と思うより、彩りのある食卓を楽しむことが長続きの秘訣です。

普段の献立に少しずつ鉄を意識して取り入れることで、気づかないうちに疲れにくい体へと変わっていきます。

疲れを年のせいにする前に、まずは“体の中の鉄”を見直してみましょう。

気になる症状がある場合は、かかりつけの内科にご相談ください。

(記 藤田聖子)

大阪府内科医会 お医者さんのブログ

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