脱水にご用心!夏に増える「脳梗塞」と「熱中症」の意外な関係

梅雨入り前だというのに、すでに真夏のような暑さを感じる日が増えてきました。今年も猛暑が予想されており、今のうちから健康対策を意識することが大切です。

夏に多い病気といえば、熱中症、食中毒、感染症、夏バテ、睡眠障害などがよく知られていますが、実は「脳卒中」や「心筋梗塞」「不整脈」も夏に増えることをご存じですか?

■ 夏に脳梗塞が増える理由

脳卒中には季節的な傾向があり、冬には血圧の急上昇による出血性脳卒中(脳出血)が多く、夏には脱水による血液の粘りが原因となる「脳梗塞」が増えるといわれています。

暑さで体温が上がると血管が拡張し、一時的に血圧が下がるため、「血圧が安定した」と思う方もいますが、水分不足により血液が濃くなり、血栓(血のかたまり)ができやすくなるのです。特に高齢者や高血圧症の方は注意が必要です。

さらに重要なのは、脳梗塞の初期症状が熱中症と似ているため、見逃されやすいという点です。

■ 脳梗塞と熱中症、見分けるポイント

どちらも初期症状として、

* めまい・ふらつき

* 立てない、歩けない

* 呼びかけに反応が鈍い

* ぼんやりしてすぐ目を閉じる

といった「何かおかしい」状態が見られます。

しかし、脳梗塞に特有の症状には以下のようなものがあります:

1. 片麻痺:体の片側に力が入らない、しびれる

2.言語障害:ろれつが回らない、言葉が出てこない、他人の言うことが理解できない

3. 視覚異常:片目が見えなくなる、視野が欠ける、ものが二重に見える

4. 発症時間:深夜や起床直後など、水分が不足しやすい時間帯に多い

「軽い熱中症かな」と様子を見ていたら、実は脳梗塞だったというケースは決して少なくありません。少しでも脳梗塞が疑われる場合は、迷わず救急車を呼ぶことが大切です。


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