頭痛についてのシリーズ第3回:薬物乱用頭痛と頭痛の予防法
前回は、一次性頭痛の代表的な3つのタイプについてお話ししました。今回は、最近増えている「薬物乱用頭痛」と、頭痛の予防方法についてお伝えします。
「薬物乱用頭痛」とは、1ヶ月に15日以上頭痛があり、痛み止めを3ヶ月以上にわたり過度に使用している場合に診断されます。市販の風邪薬や咳止め薬のオーバードーズ(過剰摂取)でも引き起こされる可能性があり、特に注意が必要です。
外来でよく見られるのは、以前から処方されていたロキソプロフェンやジクロフェナクを、頭痛が起こるたびに服用しているケースです。このように、痛み止めを頻繁に使うことで、かえって頭痛が増えるという悪循環に陥ることがあります。
薬物乱用頭痛の治療法は、まず乱用している薬を中止することです。7割の方はこの治療法で改善しますが、残りの3割は再発すると言われています。そのため、定期的に医師と相談しながら治療を続けることが大切です。
では、頭痛を予防するにはどうすればよいのでしょうか?
頭痛の予防には、以下の点に気をつけることが有効です。
1. 生活習慣の見直し ストレスの軽減、十分な睡眠、バランスの取れた食事が重要です。特に片頭痛の方は、過労や睡眠不足、特定の食品(チョコレートや赤ワインなど)が頭痛の引き金になることがありますので、日常生活でのトリガーを把握することが役立ちます。
2. 頭痛日記の活用 頭痛の頻度や状況を記録することで、原因を特定しやすくなります。これにより、頭痛が起こりやすい状況を避けることができ、医師との診察時に有効な情報として活用されます。
3. 適切な治療を受ける 頭痛が慢性化する前に、適切な治療を受けることが大切です。片頭痛や緊張性頭痛には、予防薬があるため、医師と相談しながら早めの対策を講じましょう。また、薬物乱用頭痛のリスクを減らすために、痛み止めを過剰に使用しないように注意することも重要です。
長年頭痛に悩んでいる方でも、適切な治療や予防策を講じることで、頭痛の頻度や強度が軽減することが期待できます。少しでもおかしいと感じたら、自己判断せずに、主治医に相談することをお勧めします。
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