頭痛についてのシリーズ第2回:片頭痛・緊張性頭痛・群発性頭痛

前回は、二次性頭痛についてお話ししました。今回は、一次性頭痛の代表的な3つのタイプ、片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛についてお伝えします。

まず、「片頭痛」についてです。片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴で、嘔気を伴うこともあります。このような頭痛が発生すると、何もする気が起きず、寝込んでしまうことが多いです。片頭痛の特徴のひとつに「閃輝暗点」という前兆があり、視界に光がちらつくことがあります。

片頭痛の治療法としては、「トリプタン製剤」が効果的ですが、これは前兆が現れた時に服用するのが最も効果的で、頭痛が始まってからでは効果が薄れることがあります。また、頭痛の頻度が多い方には、予防薬として「カルシウム拮抗薬(ロメリジン)」や「抗うつ薬(トリプタノール)」、「抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム)」が使用されます。最近では、片頭痛の治療に非常に効果がある「抗CGRP抗体」や「抗CGRP受容体抗体」という注射剤も保険適用されています。実は私も片頭痛に悩まされていましたが、この注射剤のおかげで費用以上の効果を感じています。

次に、「緊張性頭痛」についてです。この頭痛は、肩こりなどから引き起こされることが多く、筋肉の緊張が原因です。痛みはあるものの、仕事や日常生活に支障をきたすほどではない場合が多いです。むしろ、体を動かすと楽になることもあります。しかし、片頭痛との区別が難しく、専門の医師でも判断に困ることがあるため、片頭痛の治療法を試すこともあります。

最後に、「群発性頭痛」についてです。この頭痛は非常にまれですが、目の奥がえぐられるような激しい痛みが特徴です。痛みがあまりにも強く、怒りっぽくなる方もいるようです。治療には「スマトリプタン注射」が効果的ですが、専門医以外では取り扱いがないこともあります。

次回は、最近増加している「薬物乱用頭痛」についてお話しします。


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