そろそろ花粉症の季節です


今年もそろそろ花粉症の季節がやってきました。 年々花粉症だという人が増えているようです。 皆さん 花粉症ってどんな病気かご存じでしょうか? 今回は花粉症を取り上げます。 花粉症というのは、 アレルギーの病気の一つで、「花粉」、特にスギやヒノキが有名ですが、 花粉に対して体内でアレルギー反応がおこり、 これを体から追い出そうとクシャミや鼻水、眼のかゆみなどといった不快や症状が出る病気です。


ここでアレルギーについて、医学的にはどういうことなのかを説明しましょう。  人間の体には、 異物、 特に人体に悪影響を及ぼす細菌やウイルスが侵入してきた時にこれを撃退する「免疫」という機能があります。 一度感染すると次に同じものが侵入してきた時に速やかに対処できるように記録される現象を「免疫」というわけですが、 このように体に有利な反応だけでなく、逆に過剰に働きすぎて体にとって不利に働いたとき、これをアレルギーといっています。 (過敏症〉 

 このアレルギーを引き起こす物質は花粉だけでなく、食物の蛋白質や金属や化学物質など世の中に数多く存在しこれを抗原またはアレルゲンと呼びます。   このように、 アレルギー反応によって惹き起こされる病気をアレルギー疾患と呼び、主なものとして花粉症があるということです。 花粉症のほかに、 「喘息」 「アトピー性皮膚炎」「じんま疹」などがよく知られています。 


最近、花粉症の人が増えていると言いましたが、 実はアレルギーの病気を持った人も増加しているようです。 アレルギー疾患は昭和40年代から欧米を中心に出現し、日本でも今や国民の3人に1人がなんらかのアレルギーを持っているといわれています。 全国で花粉症の患者さんは2,000万人以上と推定されています。また東京都の調査によると3歳児でなんらかのアレルギー疾患を持つ子の割合は41.9%にもなるといいます。


なぜアレルギー疾患が増えているのでしょうか? 増加の背景は遺伝的なものでは説明はつきません。 おそらく、花粉症は戦後の大規模なスギの植林と最近の木材不況で放置された山林が増え花粉飛散量が増えたことが大きな原因でしょう。 これにPM2.5などの環境汚染や環境ホルモンの影響、さらに日本食から急激に欧米型の高脂肪食にかたよってきたこと、ストレスの多い社会になったことも増加の要因であると考えられます 

さて次回はその花粉症対策についてお話しましょう


大阪府内科医会 お医者さんのブログ

かかりつけ医の集まりである内科医会から市民の皆様へ健康情報をお届けするサイトです