腎臓を守る秘訣は? その1

外山: まず参加者の皆さんに「腎臓が弱っているといわれたときに,控えたほうがよいもの」はなんでしょう?とおたずねしました。そうすると次のようなお答えでした。

1番が塩分:69%

2番がアルコール:42%

3番がスナック菓子:29%

4番が油物:25%

5番が水分:16%

以下,果物:13%,肉:11%,野菜ジュース:9%,魚:7%,炭水化物:3%と続きます

この結果についてパネリストの先生方からコメントをいただきました.

 守山 1位が塩分というのはすばらしいですね.私はさきほどの講演で減塩の重要性をお話しさせていただきましたが,もうすでに皆さんそれをよく認識されていると思います.先ほど1日に6gといいましたが,普通に暮らしていると簡単に10gぐらいいってしまいます.下限は3g以上といっていますが,普通に暮らしていれば3gを切ったりはしませんから,そこは自由にしていただいたらと思います.

 泉岡 2番目にアルコールがきているのが,私としては若干驚きです.過度なアルコールはもちろんよくないですが,適度であれば血圧も安定させますし,私はアルコールについてはそれほど悪いと思っていませんでした. 果物については,皆さんご存じのようにカリウムを若干多く含んでいます.カリウムが多いと血圧は安定に向かいます.高血圧予防の食事でDASH食というのがありますが,それには適度な量の果物を食べなさいと出ています.腎臓が非常に悪い人はカリウム制限食となりますが,腎臓が過度に悪くない場合は,果物には逆に血圧を安定させる効果があります.もちろん患者さんによっては注意が必要ですが,多くの患者さんは逆に血圧が安定するのではないかと思います.水分についても腎臓の悪さかげんによりますが,腎機能の程度によっては水分をあまり制限し過ぎると,逆に脱水を起こして悪くすることがあるので,これも主治医の先生と相談しながら,ある程度水分をしっかりとっていただいたほうがいい場合があります.

 

藤澤 炭水化物を控える人が少なかったのが,気になりました.腎機能が低下してくると,蛋白質を減らし,炭水化物はむしろ増やすほうが良い人が増えてきます.具体的には,肉・魚といった蛋白質を減らし,かわりに足腰が弱ってはいけないので,ワラビ餅やクロワッサンとバターなどと炭水化物と脂質を中心にカロリーを増やすことが腎臓を守るために必要となってきます.だから,炭水化物を増やせといわれたときに「えっ?」と思わなくていいように,心のなかで「ああ,炭水化物を増やしたほうが私の腎臓にはいいんだなあ」と感じていただければと思います

 近藤 私が注目したのは3番のスナック菓子です.私も大好きですが,味が濃いです.その濃い味のもとになるのがカリウム,ナトリウム(塩分)です.当然これは腎臓によくありません.また,スナック菓子にはリンという物質が含まれています.血液中のリンとカルシウムはバランスをとっています.腎臓が悪い方はリンが上がって,カルシウムが下がります.カルシウムが低下するので骨がもろくなって,骨折することもあります.リンをたくさん含むという意味で,スナック菓子は腎臓病の方にはNGです.

 食品とは離れますが,腎臓によくない薬として痛み止めがあります.バファリン,ロキソニンなど皆さんもよく飲まれているかもしれませんが,これは腎臓の血流を下げるために直接腎臓をいためてしまいます.また,たばこは,たばこに含まれているニコチンが腎細胞にたまりやすいです.したがって,長期継続的にたばこを吸うと,ニコチンが腎細胞をやっつけてしまうのでよくありません


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