世界腎臓デー ④腎臓の働きが悪くなるとどうなる

先ほど1つの腎臓には100万個の糸球体があるといいましたが、この糸球体じつは1時間に1個程度、健康な人でも壊れているのです。 1日に24個、1年で9000個ほどが壊れます。

このように年齢が行くに従いeGFRは徐々に低下、腎臓の働きは弱り、おおよそ120歳をこえるころにはほぼ0となります これが人間の寿命ですね

このGFRが10をしたまわるくらい腎臓が障害されると血液中の老廃物が増加し、後ほどのべる透析療法が必要となります。 年を取ることはだれもが避けることができませんが、 それ以外にこの腎機能の低下を加速するものは 糖尿病 高血圧症 喫煙、塩分過多 蛋白の取り過ぎ などです 腎臓を長持ちさせようと思えばこれらの生活習慣病や食習慣に注意していく必要があります


腎臓の機能が低下すると、先ほど示した蛋白尿がでる、塩分や水が溜まり血圧が上がる、また浮腫がでる  ひどくなると老廃物が溜まり、尿毒症となり命を脅かす状態となります


また骨を作るビタミンDの活性化ができなくなり骨にカルシウムが減り骨粗鬆症や造血ホルモンが減り貧血が起こります

臓の働きが低下しストップしてしまうと、透析療法が必要となります。透析療法とは腎臓の血液の老廃物をろ過しきれいにする働きを血液を一旦抜いてこのようなダイアライザーというフィルタに通す機械を介して老廃物や余分な水分を取り除き、きれいな血液を再び体にもどすという工程です。通常1回3〜4時間、週2〜3回行う必要があります。

この透析療法を行う患者さんは現在、35万人で毎年3万8千人が新たに透析療法を開始、その原因となる病気が実は糖尿病が年々増加し現在は40%が糖尿病が原因で透析導入。 糖尿病を治療する最大の理由はこの腎臓を守るということといってもいいでしょう。


腎症の指標としては、尿中アルブミン排泄率と糸球体濾過量GFRの2つがありますが、

この2つの指標と心血管イベントとは独立したものではなく、このように、尿アルブミン排泄量が増えるに従い心血管死が増加、またeGFRが低下するに従い心血管死が増加するという関係があります。


このように腎臓の機能が悪くなると尿毒症となるだけでなく、心筋梗塞や心不全などの心臓の病気のリスクが高くなります。 これを心腎連関と呼んでいます

糖尿病、高血圧、脂質異常症などをちゃんとコントロールし、体の中の体液量や質を良好に保つこと血管の内壁である内皮障害を防ぎ動脈硬化を起こさないことが大切です

大阪府内科医会 お医者さんのブログ

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