知っておきたい「睡眠薬」の今 3.進化する「睡眠薬」:最新の治療薬事情

これまでは、脳の活動を強制的に抑えるタイプの睡眠薬が主流でした。

即効性はありますが、長期間の使用で、ふらつき、転倒、物忘れ、依存性などのリスクがあるため、現在では短期間・必要最小限の使用が推奨されています。

現在主流となっているのは、自然に近い眠りを導き、依存性が極めて低いお薬です。

大きく分けて2つのタイプがあります。

① 体内時計を整える:メラトニン受容体作動薬(ラメルテオンなど)

体内の睡眠ホルモン「メラトニン」に働きかけ、体内時計のリズムを整えます。

眠らせる力は穏やかですが、生活リズムが乱れている方、高齢の方、交代制勤務の方に適しています。

② 脳の「覚醒」を抑える:オレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント、レンボレキサント、ダリドレキサント、ボルノレキサントなど)

最近、内科外来で処方される機会が増えているタイプです。

脳の「起きろ!」という信号(オレキシン)をブロックし、

脳を無理に眠らせるのではなく、「起きている状態を解除する」ことで、自然な眠りを促します。

依存性が極めて低く、翌朝のふらつきや眠気が残りにくいのが特徴です。

それぞれのお薬には特徴があり、不眠のタイプ(寝つき・途中覚醒・熟眠感)、生活スタイル、持病などを考慮して使い分けます。「日中の眠気が強い」「2週間以上眠れない日が続く」場合は、睡眠時無呼吸症候群や、うつ病などが隠れていることもあります。無理をせず、お近くの内科医へご相談ください。

3月の忙しい時期、

ご自身の体を労われるのは、あなた自身です。「明日も頑張ろう」と思える健やかな眠りを、取り戻すお手伝いができれば幸いです。

(木村 新)

大阪府内科医会 お医者さんのブログ

かかりつけ医の集まりである内科医会から市民の皆様へ健康情報をお届けするサイトです